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 東京電力福島第一原発事故で仕入れ先の工場が操業を停止し、営業上の損害を受けたとして化学薬品販売会社「関富(かんとみ)薬品」(大阪市)が東電に4億円弱の賠償を求めた訴訟の判決が16日、大阪地裁であり、久留島群一裁判長は東電に1959万円の支払いを命じた。主力製品の納入停止で間接的な被害が生じたと認定し、損害額は事故後約1年間に得られたはずの利益とみなして算定した。

 判決によると、関富薬品は2011年3月の事故当時、東京の化学薬品メーカーから仕入れた電解液などの製品を関西で独占的に販売。売上高の9割を占めていたが、原発から3キロ圏内にあった福島県大熊町のメーカー工場が操業を停止したため納入も止まり、売り上げが激減した。

 判決は「東電には、一定の危険がある原子炉を運転する事業者として事故を防ぐ義務があった」と指摘。関富薬品が事故後すぐに仕入れ先を変えるのは困難だったとして、事故後の対応に追われた1年間程度を賠償の対象期間とした。

 東電広報室は「判決内容を精査し、引き続き真摯(しんし)に対応する」としている。原発事故の賠償をめぐり、個人や企業が東電を相手取った訴訟は8月末までに294件あり、158件の裁判が続いているという。(阿部峻介)