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 関東・東北での記録的な豪雨で、茨城、栃木、宮城の3県で計19河川の堤防が決壊し、ほかに全国で55河川が氾濫(はんらん)していたことが国土交通省のまとめで分かった。鬼怒川が決壊して17日で1週間となり、茨城県常総市では浸水が続く。茨城県内では16日に新たに1人の遺体が見つかり、豪雨の死者は8人になった。

 国交省によると、決壊した19河川のうち、国が管理する鬼怒川以外はいずれも比較的規模が小さい県管理の河川だった。河川の外まで水があふれたのは宮城、福島、山形、岩手、茨城、栃木、埼玉、三重の8県の計55河川に上った。

 また23の河川では、堤防の安全性を保てなくなる計画高水位を超えた。氾濫危険水位を上回ったのは32河川あった。鬼怒川上流では、栃木県内の4地点で、治水の前提となる「100年に1度の大雨」(流域平均の3日雨量362ミリ)を大きく超える650~538ミリを記録。NPO法人のCeMI環境・防災研究所の松尾一郎副所長は「明らかに川の容量を超える水が流れ込んだ。近年で記憶にない広範囲の被害だ。堤防などハードで対応出来ないなら早めに逃げるしかない」と指摘する。

 常総市の西約10キロの境町では16日、同町稲尾、無職茂呂克一さん(47)が畑から遺体で見つかった。10日朝に自転車で出かけて行方不明になり、16日朝に川のそばで自転車が見つかった。宮城、茨城、栃木の3県で死者は8人となり、重軽傷者は全国で46人に上った。

 茨城県内では16日現在、常総市を中心に2256人が避難している。国土地理院によると、常総市内の浸水面積は市全体の3分の1の約40平方キロに及んだが、ポンプ車などでの排水が進み、16日午前には2平方キロに縮小。国交省は週内には排水を終えるという。東京電力によると、茨城県内の停電は16日夜に解消した。

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堤防が決壊した河川

【茨城県】鬼怒川(常総市)、八間堀川(同)、宮戸川(古河市)、西仁連川(古河市、坂東市)、飯沼川(坂東市)、

【栃木県】姿川(壬生町)、箒川(那須塩原市、大田原市)、荒川(さくら市)

【宮城県】善川(大衡村)、小西川(大和町)、身洗川(同)、西川(同)、田川(加美町)、渋井川(大崎市)、渋川(同)、名蓋川(同)、出来川(涌谷町)、二迫川(栗原市)、芋埣川(同)