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 「こんなだまし討ち、ダメだって」「開会だ!」。参院は17日朝から、安全保障関連法案を審議する特別委員会の開催をめぐって紛糾した。

 16日夕から与野党の対立が続き、日付が変わった後の17日未明、特別委に先立つ理事会を午前8時50分から開くことで「一時休戦」。しかし、朝を迎えると、それまで理事会を開いていた部屋ではなく、特別委を開く第1委員会室に「特別委員会理事会」の看板が掲げられた。

 野党議員は、理事会の会場が一方的に変更されたとして激しく反発。午前9時前、すでに委員会室に着席していた鴻池祥肇委員長(自民)に対し、「約束違反だ」「うそつきだ」と詰め寄った。

 それでも鴻池氏は「午前9時45分から委員会を再開します」と宣言。野党議員が鴻池氏の不信任動議を提出すると、鴻池氏は手元のメモを見ながら「佐藤正久理事(自民)に委員長職務を委託します」と言って紙を机にたたきつけるようにして離席。「だめだよそんなの」「ふざけるな」と怒号が飛び交った。

 委員会室では約20人が傍聴し、混乱の様子をメモを取りながら見守った。

 東京都板橋区の会社員古賀加奈子さん(38)は、初めて委員会を傍聴。16日夜は終電まで国会周辺で反対の声をあげたといい、「議論の様子を一度この目で見たかった」。理事会の会場が変更されたことを聞き「人が死ぬかもしれない法律を考える時に、だまし討ちなんてありえない」と憤った。

 傍聴席の最後列にいた東京都内の大学生、原田竜馬さん(18)は「自分たちの国のルールを決める場がこれなのか、という思いだ」とあきれた様子。都内の無職小林みどりさん(67)は「国会運営がひどい。今日の委員会の光景は象徴的だ」。定年まで中学校で美術を教えてきたといい、「若者をつらい目にあわせるような法案は、絶対認められない」と語った。(後藤遼太、福井悠介、小寺陽一郎)