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 紛争地からの難民や移民が集まったハンガリー・セルビア国境で16日夕、ハンガリー警察が難民らに催涙ガスや高圧放水を浴びせ、子供2人がけがをした。ハンガリー政府のこうした対応に国際的な批判が高まっている。

 地元報道によると、ハンガリー政府が国境の複数の検問所を閉鎖したことに抗議する難民ら数百人が、セルビア北部ホルゴシュの検問所でハンガリー側が設置した有刺鉄線付きのフェンスを壊したため、警官隊がガスや高圧放水を使ってセルビア側に押し返した。警官隊の後方では軍の装甲車も待機していた。ハンガリー当局によると、警官14人もけがをした。

 セルビア政府は、自国領土にいた難民らに対するハンガリーの実力行使に抗議。内務省は国境検問所の警察官を増員し、衝突防止に当たることを明らかにした。訪米中のブチッチ首相は「(ハンガリーの)非欧州的行為をやめさせるべきだ」と欧州連合(EU)に介入を求めた。

 国連の潘基文(パンギムン)事務総長は16日の記者会見で、「衝撃を受けた。容認できない」とハンガリー当局の対応を批判した。潘氏はハンガリー首相を含む欧州の首脳に難民条約などに従った対応を要請してきたといい、「彼(ハンガリー首相)は最善を尽くすと言っていた」と不満を示した。その上で「まずは救命物資や避難所などを用意しなければならない。それからでも彼らの(長期的な)処遇や受け入れ方法を話し合える」と述べた。

 グテレス国連難民高等弁務官は16日、声明を出し、「ハンガリー政府は、法律的かつ道徳的義務にしたがい、保護を必要としている人々に国境へのアクセスを保障すべきだ」と述べた。(ブダペスト=喜田尚、ニューヨーク=金成隆一)