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 米国メディアはデモや国会の混乱を伝えつつ、安保関連法の効用にも解説を加える報道が目立った。AP通信は「日本は米国と連携を強められるほか、平和維持活動に一層参加できる」。ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙は「海外での日本の軍事的な役割を拡大させる法律が成立」と報じ、日本が戦後初めて、海外で同盟国を助けられるようになると説明した。

 一方、日本の安保問題に普段は大きな関心を払わない欧州メディアでは、仏紙ルモンド(電子版)が「平和主義が終わる懸念」との見出しを掲げ、「第2次大戦後初めて海外での紛争に派兵する道を開く法律だ」と指摘。論説記事で「日本のアイデンティティーの中心にあり、海外からの好イメージでもあった平和主義という伝統を、いくぶんか弱めるものだ」とした。

 イラン国営放送は「日本の軍隊に海外での戦闘を許可するこの新法は、米国だけが支持している。日本では大きなデモが起き、国民の多数が反対。中国や韓国といった近隣諸国も反対している」と論評した。

 中国メディアは安保関連法の成立を主要ニュースとして報じ、厳しく批判した。国営中国中央テレビは、国会前で反対の声を上げる人々の様子を繰り返し放映し、「民衆や各界が強烈に反対する中で強行に可決」と強調。北京紙・新京報は「自衛隊は海外での戦争にかかわるようになる」との学者の見方を伝えた。法成立のタイミングが満州事変の発端の柳条湖事件(1931年9月18日)と重なったことで、ネットでも反発が相次いだ。

 普段は親中的な立場で知られる台湾紙・旺報は、中台の軍事衝突で米軍が介入した際、日本は安保関連法に基づいて、米国を支援できると評価する台湾の識者の論評を伝えた。

 韓国各紙はこぞって1面で取り上げた。東亜日報は「日本、再び、戦争が可能な国家に」、中央日報は「戦争できる日本の法案、深夜まで生みの苦しみ」。冷え込んだ日韓関係を背景に、自衛隊の活動拡大への不安を訴える論調が目立っていた。(北京、台北、ソウル、パリ、テヘラン、ワシントン)