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 人を笑わせ、考えさせた研究に与えられる今年の「イグ・ノーベル賞」医学賞を共同受賞した大阪府寝屋川市の開業医、木俣肇院長(62)が19日、米マサチューセッツ工科大で講演した。木俣さんは17日の授賞式には出席せず、受賞後に米国の聴衆の前で話すのは初めて。

 講演会には、賞に選ばれた10分野から受賞者の多くが参加。1人5分間で、それぞれユニークな研究内容について話した。木俣さんは「うれしいですし、光栄ですが、古い研究がなぜ今ごろ選ばれたのか…」と感想を話した。

 木俣さんは、男女に30分間キスをしてもらい、前後でアレルギー反応の変化を調べる際、個室の雰囲気を高めるため映画のラブソングなどを流す工夫を凝らしたことを紹介。花粉症に悩む英国のカップルが実際に試し、長時間のキスで「唇と舌がしびれた」とする感想をネット上に投稿しているのをスクリーンに映し出すと歓声がわいた。カップルの花粉症は改善したという。

 木俣さんは、現在は研究活動は続けておらず、アトピー性皮膚炎の専門クリニックを開業し、ステロイド剤を使わない治療に専念している。キスの論文より先に「笑い」にもアレルギー反応を抑える効果があるとする論文も発表している。

 ただ、なぜキスや笑いに効果があるのかなど、詳しい仕組みは解明できていないという。(ケンブリッジ〈米マサチューセッツ州〉=小林哲