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1日目終わる

 17:30 記録係の高橋真澄二段が「5時30分になりました」と告げた。高尾挑戦者は58手目を封じる意思を示し、封じ手を入れた封筒を立会人の羽根泰正九段に手渡して1日目が終わった。持ち時間各8時間のうち、消費時間は黒番の井山名人が3時間28分、高尾挑戦者が4時間2分だった。6日午前9時に再開する。

 1日目は両者が駆け引きを繰り返し、局面はめまぐるしく変化した。右下を捨てて下辺を広げる挑戦者に対し、名人は黒33から45でその下辺を突き破る。双方に不安定な一団のある左下一帯が、焦点になっている。

羽根直樹九段、大盤解説会に登場

 15:56 大盤解説会に新聞解説の羽根直樹九段が登場した。棋聖、本因坊などのタイトルを獲得した実績を持つ羽根九段は志摩市の名誉市民で、地元三重県では絶大な人気を誇る。

 伊田十段と王二段による解説会に現れた羽根九段は「井山名人が下辺黒29をうまく活用してきましたね」と指摘。「いい勝負だと思うが、このあと形勢が傾くとしたら黒に傾くのではないか。白は下辺の石の形が崩れると、いっぺんに持っていかれる可能性がある」と解説した。

堂々たる挑戦者

 15:30 午前中から始まっていた右下一帯の折衝が一段落し、焦点は左下に移っている。

 右下の攻防では、白26、28の打ち方が「高尾挑戦者らしい」と評判だった。黒23、25とされて右下の白二子のさばき方が難しいと思われていたが、そこをあっさりと捨て、堂々と下辺左側を広げる作戦に出た。

 白40に黒41、白42と互いに反発して、現在は左下で激しい変化がおきている。

おやつはフルーツ盛り合わせ

 14:55 対局室におやつが運ばれた。井山名人、高尾挑戦者の両者とも、志摩の特産品の「南張メロン」や、季節感あふれるカキやナシの盛り合わせ。

大盤解説会始まる

 14:00 対局場の賢島宝生苑で大盤解説会が始まった。解説は三重県鈴鹿市出身の伊田篤史十段(21)、聞き手は王景怡(おうけいい)二段(29)という、日本棋院中部総本部のフレッシュなコンビだ。伊田十段は4月、当時の高尾紳路十段からタイトルを奪取。NHK杯でも大会史上最年少で優勝するなど活躍している。王二段も7月の会津中央病院杯・女流囲碁トーナメント戦で謝依旻(しぇいいみん)女流名人・女流棋聖を破って優勝し、初タイトルを獲得した。

 王二段が「井山名人と高尾挑戦者の棋風はどうですか」と尋ねると、伊田十段は「井山名人は地に辛くも厚くも打つことができ、中盤以降は特に強いと感じる」。高尾挑戦者については「本格的な手を選ぶ棋風です」と話した。この第4局について伊田十段は「井山さんの黒1、3など、あまり見かけない形となり、両者が時間をかけて打つ展開になっています」と解説した。

 6日も午後2時から、賢島宝生苑で大盤解説会が開かれる。

対局再開

 13:00 昼の休憩が終わり、対局が再開された。今期名人戦で昼の休憩までに進んだ手数は、第1局が46手、第2局が34手、第3局が32手、そして第4局が22手と、だんだん短くなってきている。難解な局面が早めに訪れているということか。

昼食は地元名物

 12:00 昼食の時間だ。挑戦者は「伊勢うどん」を注文。近年は全国的にも知名度を上げている、三重県伊勢市を中心とした名物だ。ずんぐりと太く柔らかいめんに、甘辛いタレをからめるのが特徴。薬味としてネギとカツオ節が添えられた。

 名人は海鮮丼を頼んだ。希少価値が高いという、志摩のクルマエビ「宝彩(ほうさい)海老(えび)」や地元産のアオリイカなどが盛られている。特産アオサの吸い物もついた。両者とも、副菜は水菜とキノコのあえ物。

 両メニューとも、今回の名人戦にあわせ料理長が特別に用意したものという。

難解な競り合いの中、休憩に

 11:54 井山名人が23手目を考慮中に昼の休憩に入った。対局再開は午後1時。持ち時間各8時間のうち、消費時間は名人1時間35分、高尾挑戦者1時間25分。

 黒1、3の珍しい布陣から始まった序盤戦。右上一帯の勢力を拡大する名人に対して、挑戦者が白18と右辺に打ち込んだ。かなり思い切った仕掛けだという。ここで名人が黒19と仕掛け返して、早くも難解な競り合いが始まっている。

三重県での名人戦は17年ぶり

 囲碁名人戦七番勝負が三重県で打たれるのは17年ぶり2回目。1998年には当時の趙治勲名人が挑戦者の王立誠九段に白番中押し勝ちをおさめている。対局場の賢島宝生苑(志摩市)で5、6日に開かれる大盤解説会では、王立誠九段の長女で日本棋院中部総本部所属の王景怡(けいい)二段が聞き手を務める。

 今回の第40期囲碁名人戦第4局は朝日新聞名古屋本社発刊80年と日本棋院中部総本部創立60周年を記念した開催。2016年5月には志摩市で主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が開かれる予定だが、賢島宝生苑には井山名人(棋聖、本因坊、碁聖をあわせ四冠)、高尾天元、大盤解説の伊田篤史十段と、囲碁の七大タイトルのうち六つのタイトル保持者がそろい、「囲碁界のサミット」の観がある。

真珠の海に臨む温泉ホテル

 対局場の「賢島宝生苑」は三重県東部に位置する志摩市の英虞湾(あごわん)に臨む温泉ホテルで、1995年にオープンした。真珠の養殖いかだが浮かぶ英虞湾は「真珠の海」とも呼ばれ、穏やかな海面は日の光を浴びて金色に輝く。ホテルには、リアス式海岸を持つ緑豊かな島々の眺望を楽しみながら入浴できる庭園露天風呂がある。

 4日の前夜祭では風光明媚(ふうこうめいび)なこの地について、井山名人は「自然に囲まれた素晴らしい場所で、対局にぴったり」、高尾挑戦者は「長旅の疲れも吹き飛ぶ」と感想を述べた。

第4局始まる

 9:00 井山裕太名人(26)=棋聖、本因坊、碁聖をあわせ四冠=に高尾紳路天元(38)が挑戦する第40期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第4局が5日、三重県志摩市のホテル「賢島宝生苑(かしこじまほうじょうえん)」で始まった。ここまで名人が3連勝。名人が勝って3連覇、通算5期目の名人位を獲得するか、挑戦者が踏みとどまって反撃に出るか、注目の一局だ。

 名人、挑戦者の順に対局室に入室。立会人の羽根泰正九段が「それでは時間になりました。始めてください」と声をかけ、黒番の井山名人が右上小目に第一着を打ち下ろした。高尾挑戦者は左上小目で応じた。持ち時間は各8時間。5日夕に封じ手を行い、6日朝に再開。6日夜までに決着する。

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 対局の模様は朝日新聞デジタルの囲碁のページ(http://www.asahi.com/igo/)を通じ、棋譜や、「ニコニコ生放送」の中継でご覧になれます。

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