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 日本人で3人目となるノーベル医学生理学賞の受賞が決まった大村智さん(80)が長く仕事をしてきた北里研究所と北里大学は、世界的な細菌学者・北里柴三郎(1853~1931)に由来する。北里は「日本の細菌学の父」と呼ばれ、第1回ノーベル医学生理学賞の候補だったが、受賞を逃した。大村さんの今回の受賞で、1世紀越しの悲願が果たされた。

 「北里柴三郎博士が第1回の候補。そのときは残念ながら無念の涙をのみましたが、1世紀をこえて大村博士がその栄誉あるノーベル賞を受賞されますことは、非常に感慨深い」。5日夜、受賞決定を受けた大村さんの記者会見の冒頭で、北里研究所の藤井清孝理事長は、まず創始者の名前を挙げた。大村さんも「尊敬する科学者の一人。北里先生の『実学の精神』を若い人に伝えたい」と述べた。

 北里は熊本県生まれ。ドイツへ留学し、ロベルト・コッホのもとで破傷風菌の純粋培養に成功した。また、破傷風菌の毒素を弱める「抗毒素(抗体)」を血液中から発見。これを注射することで感染症の症状を抑える「血清療法」を切り開いた。

 「ノーベル賞」(中公新書、矢野暢著)によると、1901年の第1回医学生理学賞には46人が推薦され、北里は15人に絞られたうちの1人だった。

 この年の受賞者は、ジフテリアの血清療法を考案した同僚のエミール・ベーリング。北里は受賞を逃したが、実はベーリングの研究の元になった実験データを提供していた。第1回医学生理学賞の解説文にも「ベーリングは北里と共同で、微量で働きを弱めた破傷風菌やジフテリア菌を動物に注射すると、動物の血液中にそれらの菌を無毒化する物質ができることを発見した」と明記されている。

 岸本忠三・元大阪大総長は、「…

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