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 10日午後4時50分ごろ、鹿児島空港(鹿児島県霧島市)に着陸しようとしていた羽田発の日本航空651便(ボーイング767型)が、自らの進路に近づいてくる左前方の小型機に気付いて、着陸をやり直すトラブルがあった。

 国の運輸安全委員会は11日、深刻な事故につながりかねない「重大インシデント」に認定し、航空事故調査官3人を同空港に派遣し、調査すると発表した。

 国土交通省や日航によると、日航機は管制官から滑走路への進入許可を受けて高度を下げていたが、左前方を飛行していた新日本航空(同市)のプロペラ機(ブリテン・ノーマン式)が、着陸に向けて旋回し、自らの進路に近づいてくるのが見えたため、機長の判断で上昇に転じた。

 日航機は当時、滑走路端から5・4キロ手前、高度約300メートル付近を飛行しており、空中衝突防止装置の警報が鳴ったという。プロペラ機も着陸をやり直し、午後5時ごろ着陸。10分後に日航機が着陸した。日航機には乗員10人、乗客240人が乗っていたがけがはなかった。プロペラ機には2人が乗っていたという。

 国交省によると、プロペラ機は管制官の許可を得て空港周辺に近づき、着陸態勢を整えたり、順番を待ったりするための「場周経路」と呼ばれる飛行経路を飛んでいた。プロペラ機の男性機長(62)は取材に対し、「管制塔の指示に従ったまでで、もう1人の乗務員も含め、JAL機と接近している認識はなかった。管制塔から着陸許可を得ていた」としている。

 元日航機長で航空評論家の小林宏之さんは「管制官とプロペラ機の間でどのようなやりとりがあったのかが焦点だ。ジェット機はプロペラ機より速度が速いため、日航機側はみるみるうちに距離が縮んでしまい、脅威に感じたはずだ」と話した。(中田絢子、林国広)