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 ワールドカップ(W杯)イングランド大会で、大きな注目を集めた日本のラグビー。国内で最初にプレーされたのは、「1899年に慶応大学で」とされてきたが、「1866年に横浜のスポーツクラブで」という新説が登場した。2019年に日本で開催される次回W杯に向け、「発祥の地として盛り上げていこう」との声が上がっている。

 日本でのラグビーの歴史を明らかにしようと取り組むのは、英国人のアレックス・ヘンディーさん(48)。1868年に誕生し、日本最古のスポーツクラブとされる「横浜カントリー&アスレチッククラブ(YC&AC)」(横浜市中区)の理事を務めている。

 YC&ACは横浜港を見渡す丘の上にあり、現在は会員の6割が外国人。休日には1万坪の敷地に広がるグラウンドで、人々がクリケットやローンボウルズを楽しんでいる。

 英国発祥のラグビーが日本で初めてプレーされたのは、1899年だとされてきた。慶応大学の英国人教員が学生に教えたといい、横浜市港北区にある大学のラグビー場には、「日本ラグビー蹴球発祥記念碑」が立っている。

 しかしヘンディーさんによると、99年は「日本人が」初めてプレーしたのであり、幕末の66(慶応2)年には、駐留していた英国海軍の船員らが楽しんでいたという。船員らは同年に設立されたYC&ACの前身の一つ「横浜フットボールクラブ」の会員だった。

 「150年前にラグビーを楽しんでいたという歴史を、日本の皆さんに知ってほしい」とヘンディーさん。横浜開港資料館で当時の新聞や雑誌記事などの史料を発掘し、ほかの会員がロンドンにあるワールドラグビー博物館を訪ねるなどして、検証してきた。

 66年に「横浜フットボールクラブ」が設立され、73年には「ボールをつかんだ選手が相手を走り抜き……」などと、関内でラグビーの試合があったことを伝える雑誌が見つかったほか、過去の新聞には、さらに歴史をさかのぼる63年にも「日本でフットボール(ラグビー)をやっていた。クリケットとフットボール選手を兼ねていた」との記述があったという。

 今年7月、YC&ACは横浜中華街の近くに歴史を記した記念碑を設置しようと、横浜市の柏崎誠副市長に申請。史料も合わせて提出した。ヘンディーさんは「歴史は続いていくもの。横浜で初めてラグビーをプレーした過去の会員たちの存在をきちんと伝えたい」と話す。

 2019年のW杯の決勝は、横浜市の日産スタジアムだ。総支配人の依田成史(せいし)さん(73)も「発祥の地として横浜でラグビーを盛り上げていきたい」と話す。(村上友里)