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大阪ダブル選インタビュー:下

――大阪維新の会の発足後の大阪をどう見ているか

 「橋下徹氏が大阪都構想にこだわり、議会で不毛な対立を続けた。論争のボクシングは見ていて面白いが、エネルギーを無駄に使い、大阪経済の大きな停滞を招いた。全国20政令指定市の1人あたり所得は、10年間で京都市が107(2001年を100とした場合の指数)まで伸びたが、大阪市は86に落ち込んだ」

――どこが問題か

 「他の自治体と違うことをやり過ぎて、市民が行政から受けられる最低限の利便性を享受できていないと思う。橋下氏のトップダウンが隅々まで浸透した硬直的な役所組織になり、優秀な職員も集まりにくくなった。補助金カットで文化が滅んでいくのも忍びない」

――ダブル選で自民はどんな解決策を訴えるのか

 「大阪に海外からの投資を呼び込む施策を徹底すべきだ。『近畿メガリージョン構想』で、首都圏に匹敵する都市圏を京阪神中心に築く。新幹線の整備を軸に人、モノ、金、情報が集まる大阪に発展させ、東京一極集中の是正を目指す。リニア中央新幹線の大阪開業の前倒しも必要だ。国政与党が、地方でも主導権を握れば必ず実現できる」

――大阪維新は都構想の再挑戦を掲げる

 「都構想は大都市問題を解決するワンアイデアではあるが、大阪に合うか合わないかは大阪市民が決めること。数十億円の費用を使い、5月の住民投票で『いらない』と結論が出た。裁判では確定判決を再度審理することを許さない『一事不再理』の原則がある。数カ月前に済んだ話をむし返すのはいかがなものか」

――自民が住民投票後に整備した「大阪戦略調整会議」(大阪会議)を「ポンコツだ」と橋下氏は言う

 「橋下氏がけんかを売るために出した言葉に、こちらも乗ってしまっている。外からみたら、住民投票前と一緒じゃないかという失望が少なからずあると思う。ルール見直しも提案しているので、今後きちんと活用されると期待したい」

――維新は手ごわいか

 「漠とした期待感を抱かせる政治手法はうまい。大阪で保守層が割れて、自民支持層からも維新に一定程度流れているのは事実だろう。安全保障関連法の成立に大阪の維新が協力する可能性もあり、候補者の擁立作業を遅らせた面もある」

――ダブル選の勝算は

 「知事候補には経済のリーダーシップが絶対必要。公認会計士の栗原貴子府議に白羽の矢を立てた。市長候補の柳本顕氏は対立をあおる人ではなく、維新との違いが出せる。公明との連携が基本で、他党も『反維新』の方向で戦ってくれると思う。同じやり方で2年前に維新候補を破った、堺市長選方式で戦いたい」(聞き手・野上英文、太田成美)

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 〈近畿メガリージョン構想〉 首都圏に匹敵する近畿圏づくりを目指す高速交通網の整備構想。リニア中央新幹線の大阪開業の早期実現や北陸新幹線の大阪までの延伸が中核となる。大阪維新もダブル選公約にリニアや北陸新幹線について同様の政策を盛り込んでいる。

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 11月の大阪府知事選には自民党の栗原氏(53)のほか、大阪維新の松井一郎知事(51)が立つ予定。大阪市長選には自民党の柳本氏(41)以外に、大阪維新の吉村洋文(ひろふみ)前衆院議員(40)と、元北区長の中川暢三(ちょうぞう)氏(59)が立候補を表明している。

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