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 普段は人気のない村に、にぎやかな声が響く。福島第一原発事故で全村避難が続く福島県飯舘村の小さな試験田に4度目の収穫の秋が来た。

 村民と首都圏などのボランティアで作る認定NPO法人「ふくしま再生の会」が、2012年から独自に田んぼを除染し育ててきた。米は出荷せず、放射性物質の影響を調べるため、玄米、白米、米ぬか、わらなどに分けて数値を測る。帰村とその先の生活のためには、村民自らが信頼できるデータを集めることが必要だとの思いからだ。会を立ち上げた一人で村民の菅野宗夫さん(64)は「みんなが関われば地域を思う気持ちが共有される」と話す。

 9月の豪雨では稲が水につかった。除染されない山林にも大量の雨が降った。「その影響も含めてデータ化して、次世代につなげたい」。菅野さんは、流れ込んだ木片を手に記念撮影に加わった。(井手さゆり)