「ヨイショ」を決まり文句に明るくにぎやかな芸風で、長らく月(つき)の家(や)円鏡(えんきょう)としてテレビでも活躍した、落語家の橘家円蔵(たちばなや・えんぞう、本名大山武雄〈おおやま・たけお〉)さんが7日、心室細動のため東京都内の病院で死去した。81歳だった。葬儀は近親者で営まれた。連絡先は落語協会(03・3833・8563)。

 東京都生まれ。52年、後の七代目橘家円蔵に入門し、竹蔵を名乗った。アドリブのギャグや大喜利の謎かけを得意とし、二ツ目の升蔵時代からラジオ番組で人気となり、65年に真打ちに昇進し、月の家円鏡を襲名。82年に八代目円蔵を襲名した。

 高座では愛敬とサービス精神に満ち、相手を持ち上げる「ヨイショ」、妻をネタにする「ウチのセツコが」で沸かせた。「火焰(かえん)太鼓」「無精床」といった古典落語に現代的なギャグをふんだんに盛り込んだ。

 「談志・円鏡歌謡合戦」(ニッポン放送)で立川談志さんとナンセンスなギャグの応酬を繰り広げたほか、「午後2時の男」(文化放送)など昼のラジオ番組を長く務めた。焼き肉のたれや眼鏡洗浄剤などのテレビCMでも知られた。

「寝床」は円蔵でなければできない落語

 〈落語家の三遊亭金馬さんの話〉 具合が悪いとは聞いていたが、それほどと知らず、驚いた。ここ2、3年会えないまま、残念です。円蔵が入門したての頃からよく知っている。陽気で破天荒なしゃべり方。「寝床」などは円蔵でなければできない落語だった。いたずら好きで、ちゃめっ気のある人柄で慕われていた。急に亡くなったと言われて、寂しいですね。