[PR]

 夕暮れに群れ飛ぶ姿が郷愁を誘う、日本を代表する赤トンボ・アキアカネ。だが最近、地域によってはほとんど見られなくなってきた。農薬の影響との因果関係が疑われており、継続的な調査や、保護する取り組みが始まっている。

7府県「激減」「大きく減少」

 大阪府枚方市の渚水(なぎさみず)みらいセンターの水辺で10月上旬、関西トンボ談話会の谷幸三会長(72)らが虫捕り網を使い、アキアカネを探した。だが約2時間の調査で1匹も見つからなかった。25年目になるこの調査で珍しいことだという。

 大阪府立大学(堺市)の平井規央准教授(昆虫生態学)によると、同大構内での目視調査でも1997年に400匹いたのが、2005年は50匹。最近は見ることが少ないという。平井さんら専門家の意見をもとに、府は絶滅のおそれがある生物をまとめた「レッドリスト」に昨年、アキアカネを初めて掲載した。

 全国の都道府県のレッドリストを調べたところ、最近5年でアキアカネをレッドリストに載せたのは大阪をはじめ西日本を中心に計7府県。「激減している」(富山県)、「大きく減少してきている」(三重県)、「近年減少が激しい」(徳島県)などと各県のレッドリストに記されている。

 鹿児島県も昨年、「絶滅危惧Ⅰ類」に。前回03年のリスト作成時は「ありふれた虫で話題にもならなかった」という。愛知県が今年まとめたレッドリストは、アキアカネを種としては掲載しなかったものの、「(県内でも)大きく減少」としている。

農薬が一因か

 減少した原因のひとつとして専門家が指摘するのは「ネオニコチノイド系」という農薬だ。田植え後に農薬を使う回数を減らせるなど、便利で効果が高いとされ、高齢化に悩む農家に普及してきた。

 一方、有名な科学誌ネイチャーに同系の農薬とミツバチの減少に関連があるとする論文が掲載されるなど、生態系への影響が世界的に議論になっている。ヤゴ(トンボの幼虫)への影響も懸念されている。

 環境省は国立環境研究所(茨城県つくば市)に委託し、各地でトンボ減少と農薬の関係を調べている。今年3月にまとめられた報告書は、アキアカネの減少と同系農薬の普及が始まった時期はともに90年代で、農薬の残留濃度が高い地域でトンボの種類が少ない傾向もみられたと指摘。影響を及ぼしていることが示唆された、とした。

 だが、薬が主要因かどうかは確…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。

2種類有料会員記事会員記事の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら