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 横浜市都筑区のマンションが傾いた問題で、国土交通省は23日、旭化成建材が杭を施工した全国3040件の建物について、住民や自治体に伝えるよう同社に指示した。広がる不安を解消するためという。データ偽装の有無については、11月13日までに報告するように求めた。

 旭化成建材は22日、過去10年間に杭を施工した3040件の都道府県別の数を公表したが、「個別物件の公表は迷惑を掛ける。データ上安全とわかれば連絡はしない」として物件名は明らかにしなかった。

 国交省には全国の自治体から「国から善処を命じて」「せめて公共施設だけでも教えてくれ」といった苦情が会見直後から殺到。「住民が不安、怒りを抱いており、払拭(ふっしょく)に万全を期す」(石井啓一国交相)と対応を改めさせた。

 3040件の元請けの建設会社は1千社以上あり、旭化成建材は23日、調査対象かどうか連絡を始めた。26日までに終えるという。マンションの場合、建設会社から売り主を通じて管理組合に通知され、住民は自分のマンションが調査対象かわかる。公共施設や商業施設などは、建設会社が直接、管理する自治体やビル所有者に伝える。

 一方、旭化成建材は建設会社、売り主と協力して物件ごとのデータ偽装の有無を調べ、11月13日までに国交省と住民側に結果を報告する。3週間の期限は国交省と調整して決めたといい、「間に合わせる」(旭化成広報)としている。データ偽装があれば、現地でボーリング調査をして安全性を確認し、所在地の自治体にも連絡する。

 傾いたマンションでデータを偽装した責任者が扱った41件と、病院や学校など公共性の高い施設は優先的に調べるという。

 旭化成建材の親会社の旭化成は23日、弁護士3人による外部調査委員会(委員長・鈴木和宏元福岡高検検事長)を設置したと発表した。データ偽装の原因を究明し、3040件の調査に助言する。調査終了のめどは決まっていないという。