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 ラグビーのワールドカップ(W杯)イングランド大会で活躍した日本代表の五郎丸歩選手(29)=ヤマハ発動機=は、キックを蹴る前に両手を合わせ、指を立てる独特のポーズで注目された。このしぐさは、かつて「世界一の司令塔」と呼ばれた元イングランド代表のジョニー・ウィルキンソン氏(36)を参考にしたものだ。五郎丸選手に影響を与えた英国のスーパースターは、「とてもうれしいことだ。今は、彼が僕に影響を与えてくれているよ」と笑った。

 現役時代、攻撃の司令塔役であるスタンドオフを務めたウィルキンソン氏は、2003年W杯でチームを初の世界一に導き、英国でサッカーのデービッド・ベッカム氏と並ぶ人気を集めた。ゴールキックを蹴る前に両手を胸の前で組み、拝むようなしぐさが有名だった。「集中を高めるためにやっていた。いつもと同じように、と思うためでもあった。ゴールに入るようにという思いを球に乗せ、風の流れや重圧、相手との得点差や残り時間などの不安要素を取り除くんだ」

 世界中のラグビー少年の多くがそうしたように、五郎丸選手もウィルキンソン氏を見て、キック前の動作を採り入れた。ウィルキンソン氏が04年に初来日し、早大でラグビー教室を開いた際、早大の部員だった五郎丸選手の目は釘付けになった。五郎丸選手は「教室の後、彼は1時間半近くキックを蹴っていた。大学1年生であの姿を見られたのはよかった」。ポーズだけでなく、黙々と努力を重ねる大事さを学んだのもウィルキンソン氏からだった。

 ウィルキンソン氏は昨年5月に現役を引退。指導者やテレビ解説者として、今回のW杯で五郎丸選手のプレーを見た。「ポーズは僕のように見えるかもしれないが、彼独特のものだ。どうすれば自分のベストを尽くすことができるのか。日本代表のプレーを通して、五郎丸が僕に教え返してくれている」(河野正樹、野村周平)

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