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 旭化成建材が杭工事の施工データを偽装した問題で、国土交通省は2日、建設業法に基づき同社を立ち入り検査した。石井啓一国交相は行政処分を「必要があれば検討したい」と話し、ずさんな施工管理の実態を解明する方針。同社は横浜市で傾いたマンションの現場責任者がかかわった43件のうち、6都県の19件でデータ偽装があったと明らかにした。

 旭化成関係者によると、旭化成建材が過去10年間で杭を打った全国3040件のうち、別の杭のデータを流用するなど偽装の疑いがあったのは約1割の約300件に上る。横浜市のマンションの現場責任者を含め、50人近い責任者らが関わっているという。元請けのゼネコンと調査を進め、13日に国交省に報告する。

 旭化成建材本社には2日、国交省職員が立ち入り検査に入った。今後、同社幹部への聞き取りや資料の提出を求め、施工や管理体制を調べる。

 旭化成建材は記者会見を開き、問題の発端となった横浜市のマンションの現場責任者がかかわった9都県の物件の調査状況を説明した。実質的な責任者だった2件を加えた43件のうち、19件でデータ偽装を確認した。旭化成の平居正仁副社長は「管理責任を感じている」と陳謝した。

 19件の内訳は愛知県が14件、東京都と神奈川県、石川県、静岡県、三重県が各1件。建物別では集合住宅が9件、工場・倉庫が5件などだった。調査中の1件をのぞく42件で計3662本の杭が打たれ、5%の179本でデータ偽装を確認。うち70本は横浜市のマンション分だった。

 平居副社長は「社長以下みんな分かって指示をしたことはたぶんない」と述べつつ、偽装を許す環境があったことは認めた。現場責任者は「杭は支持層(固い地盤)に届いたと思っている」と話し、施工不良を隠す意図を否定しているという。ほかに複数の現場責任者が偽装に関与したことも明らかにした。

 また、自治体の2日までの独自調査などで、3040件の工事のうち19件のデータ偽装が公表された。

横浜のマンションの現場責任者が関与した物件のうちデータ偽装があった19件の内訳

東京(1) 工場・倉庫1

神奈川(1) 集合住宅1

石川(1) 医療・福祉施設1

静岡(1) 工場・倉庫1

愛知(14) 集合住宅8、工場・倉庫2、医療・福祉施設1、学校1、その他2

三重(1) 工場・倉庫1

※カッコ内は各都県の合計件数