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 旭化成建材が杭工事の施工データを偽装した問題で、複数の現場責任者が「他社の工事でもデータを偽装した」と同社に話していることが、関係者への取材で分かった。データ偽装は大手ゼネコンの清水建設が元請けとして施工した物件でも行われていたことも分かった。

 関係者によると、旭化成建材の杭工事では、過去10年間の3040件のうち約300件にデータ偽装の疑いがある。現場責任者50人近くが関わっているとみられるが、同社の聞き取りに対し、複数の現場責任者が旭化成建材の工事以外でもデータ偽装をしたと証言したという。

 現場責任者は杭打ちの専門業者からの一時的な出向社員が多く、他社に出向した際に偽装していた。他社の物件についても「機器の不具合でデータがうまく取れなかった」などと説明し、「杭は強固な地盤に届いていると思っている」と話しているという。

 また、横浜市の傾いた大型マンションの現場責任者がデータ偽装をした19件の物件のうち、神戸製鋼所の大安(だいあん)工場(三重県いなべ市)と特別養護老人ホーム松寿園(石川県小松市)は、大手ゼネコンの清水建設が元請けとして施工したことが分かった。

 横浜のマンションの元請けは三井住友建設だったが、大手ゼネコンにも影響が広がっている。清水建設広報は「安全性の検証については行政と協議を行い、元請けとして責任をもって対応する」とコメントした。

 各地の杭工事をめぐっては、4日も自治体などの調査で新たな偽装が判明した。埼玉県の県営団地で1件分かったほか、北海道で2件、長野県で1件、山口県で1件などが明らかになった。

 国土交通省は4日、再発防止策を検討する有識者委員会の初会合を開いた。元請けの建設業者による監督や建築基準法に基づく建築確認のあり方について、年内に中間報告をまとめる。(峯俊一平、下山祐治)