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石原照枝さん(79)熊本市東区

 長年、被爆体験を語り続けている熊本市東区の石原照枝さん(79)のアンケートには「今年は傘寿を迎えますので“もういい”と言う自分がいるのです。疲れました」と書かれていた。「むなしい!!」という言葉もある。被爆者の高齢化に伴い、継承の大切さが叫ばれているが、体験を伝えてきた人たちならではの思いもあるだろう。悲観的にも聞こえる言葉の奥の思いを知りたくて、熊本を訪れた。

 「終活中なんです」。7月に会うなり、石原さんからそう聞き、少し戸惑った。

 すでに生前葬を済ませ、形見分けも進めているという。死後は自身の体を熊本大医学部付属病院に献体することも決めているという。

 被爆から70年。被爆者が高齢化し、減っていく現状を伝えることはあるが、目の前の石原さんの「死」を、受け止める準備ができていなかった。

 だが、話をしていると、石原さんは決して人生に投げやりになっているのではないと知った。

 「一日一生」。石原さんは何度も言った。「良いことも悪いことも、一日一生。毎日、感動の一日。いい出会いがあって感謝している」。私も石原さんとの出会いに縁を感じた。私が熊本勤務時代に通っていた喫茶店が、石原さんも行きつけ。急きょ、そこに場所を移して話を聞かせてもらった。

     *

 石原さんは被爆当時9歳。爆心地の西500メートルの城山国民学校(現・長崎市立城山小学校)に通っていたが、原爆投下の時は大草村(現・諫早市)に疎開していた。

 だが、城山にとどまっていた母…

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