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 宗助・御米が住んだ平屋の借家は間数が多くはない。床の間のある8畳の座敷は彼らの寝室兼客間であった。それに御米の6畳、簞笥(たんす)のある茶の間、台所、女中部屋(前田愛作製「宗助と御米の借家の間取り」参照。ただし廊下側に「床の間」を設けるのが一般的)。弟の小六の同居が決まったとき、家庭内には思わぬ波紋が生じる。御米は自分が使っていた6畳の部屋を明けわたすことになったからだ。それが精神的な負担となり、「早打肩」という病気に罹(かか)り、しばらく8畳の座敷で宗助の看病を受けた。

 御米の部屋は東向きで日当たりは好(よ)かったものの、雨漏りがしてとびきり居心地が良くはなかった。しかし自分の居場所であり、雨に濡(ぬ)れた宗助の衣服を乾かしたりする仕事場であった。桑の鏡台はそこに置かれるべき象徴的な調度品である。

 「小六に六畳を宛(あ)てがっ…

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