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 長野県警伊那署は6日、南アルプス小仙丈ケ岳の登山道から約50メートル下の斜面(標高約2600メートル付近)で、早稲田大学理工学術院教授の木下一彦さん(69)=横浜市都筑区茅ケ崎南4丁目=の遺体を発見したと発表した。死因は頭部外傷。署は、木下さんが凍った地面で足を滑らせたとみている。

 署によると、木下さんは10月31日に単独で入山。家族に詳しい行程を伝えていなかったという。4日夜、山梨県警南アルプス署に木下さんの妻から「登山に出かけた夫が帰ってこない」と届け出があり、5日から同署員と長野県警ヘリが捜索していた。

 木下さんは、分子一つひとつの機能を知る「一分子生理学」という分野の発展に大きく貢献。1990年代半ばに、生命がエネルギー源として利用するATP(アデノシン三リン酸)を作る酵素の分子が回転する様子を、光学顕微鏡で観察することに成功した。