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 東芝は7日、不正会計問題で会社に損害を与えたとして、西田厚聡元社長ら歴代3社長と当時の最高財務責任者(CFO)2人の計5人に対し、総額3億円の損害賠償を求める訴訟を同日付で東京地裁に起こしたと発表した。不正会計に手を染めた企業の元トップの責任が、法廷で追及されることになる。

 東芝が訴えたのは西田氏、佐々木則夫・元社長、田中久雄・前社長と、いずれもCFOだった村岡富美雄、久保誠の両元副社長。

 東芝が設けた社外の弁護士による「役員責任調査委員会」が、税引き前の損益ベースで計2248億円の利益の水増しがあった2008年4月~14年12月当時の役員ら98人の責任の有無を調べていた。

 調査委は、5人がパソコン部門の利益かさ上げなどで、実質的に不正を指示したり放置したりしたとして、会社法上の注意義務に違反したと認定した。他にも不正に関わった役員はいたが、損害賠償を求められるほどの責任は認められなかったという。調査委の報告書は9日に公表される。

 東芝は不正会計の損害について、決算の訂正や東京、名古屋の両証券取引所の上場契約違約金などで10億円超と見込む。だが、調査委は5人から回収できる可能性などを考え、3億円の請求が妥当と判断したという。請求額は増える可能性もあるとしている。

 東芝役員の責任追及をめぐっては、奈良県に住む東芝の個人株主が9月8日、不正会計があった当時の役員のうちの28人に対し、計10億円の損害賠償訴訟を起こすよう会社側に要求。これを受けた東芝が、調査委を設けて調べていた。(平林大輔)