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 昨年まで4月、今年は8月、来年は6月。企業が新卒学生の採用選考を始める時期が、ころころと変わっている。会員の大企業に「指針」を示す経団連が、政権の意向と、学生や企業の不満などとの板挟みにあっているからだ。新たに定める「6月解禁」も、議論の余地が残っている。

 「学業に専念」「留学しやすい環境を」。そんな狙いで安倍政権が経済界に頼んだのが、学生の就活開始時期を遅らせることだった。2013年6月に閣議決定した「日本再興戦略」にも成長戦略として盛り込まれている。

 今年の「8月解禁」ルールで就活をすることになったのが、来春卒業予定の学生だ。選考(企業面接など)が始まるのが4月から真夏の8月になり、不満を抱えた。そもそも景気が良くなって「売り手市場」でもあり、企業の採用競争は過熱。企業の一部はインターンシップの名目で大学3年から事実上の採用活動を始め、かえって長期化し、学業に支障が出た。

 経団連に加盟しない中小企業は指針の対象外だが、「しわ寄せで採用が難しくなった」という。大手の採用が終わらないと「学生は中小に本気で目を向けない」(東京の情報処理会社)からだ。

 秋から採用を始めても間に合わないとみて、大手より先に選考を進めた企業も多かったが、内定を出した学生が夏場に大手に流れ、「お盆前後に内定者の3~4割が辞退した」(東京の出版系企業)。

 混乱は予想できなかったのか。経団連内には、当初から中小への悪影響を指摘する声があった。榊原定征会長は9日の会見で「経団連が希望してやったわけではない」と政府の要請に従っただけだという立場を強調した。

 一方、菅義偉官房長官は同日の会見で、今回の見直しについて「政府は何もしておりません」と述べ、「経済界と大学側で、学生のことを十分に考えながらしっかり議論していくことが大事」と突き放した。

 責任がはっきりしないまま、政府は4日に急きょ、関係省庁や経済団体、大学関係者による実務者会議を立ち上げた。13日には2度目の会合を開くが、経団連の「6月解禁」方針を容認し、課題整理などに関与をとどめる方針だ。(稲田清英、池尻和生)

■就活の現場「…

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