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絵本作家・ヨシタケシンスケさん

 僕が絵本作家になれたのは、ネガティブで気が弱かったからです。

 美術系の大学に入学した直後、新入生50人が静物画を描くデッサンの授業があり、僕は最低点を取りました。原因は、筆圧の弱さ。間違うことが怖くて、薄い線でしか描けなかった。デッサンは、濃い線で仕上げるので、構図や描き方はそれほど悪くなかったのですが、「未完成でダメな絵」として評価されたのです。

 落ち込んでくよくよ悩みましたが、まずは、目の前にあるものではなく、何も見ないで想像して描く練習を始めました。見てないものを描くのだから、失敗しても当たり前だと、自分に言い訳ができるから安心して描けたのです。

 例えばドラえもんをまず思い出しながら描く。最初はやっぱり似てない。描いては実物を見ることを繰り返すと、ドラえもんの「らしさ」を形作るラインを体得できてきたのです。

 僕の場合は、見て描くよりも集中できて、気がつくと絵が上達していました。

 だけど次は何を描くのかで迷い始めました。

 大学を卒業後、ゲーム会社に就職したものの、出す企画はすべて没。会社になじめずに、時間があると自分が面白いと感じた日常のイラストを描くようになりました。小心者の僕は、人が後ろを通ったらすぐに手で隠せるように小さいサイズでこっそり描きました。そのクセはいつしか僕のスタイルになって、今でも僕の原画は、絵本の半分くらいの大きさなのです。

 会社や通勤電車の中でこちょこ…

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