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 川崎市幸区の老人ホームで、入所者3人が相次ぎ転落死した問題などを受けて、厚生労働省は13日、施設運営会社の親会社の「メッセージ」(岡山市)に対し、介護保険法に基づいて業務改善を勧告した。管理体制の抜本的な見直しや、事業所職員へのストレス対策などを要求した。

 同社は1カ月以内に改善内容を報告する。佐藤俊雄社長は「多大なるご迷惑とご心配をかけて深くおわびする。改善勧告を真摯(しんし)に受け、早急に改善に努めていく」と話した。勧告で設置を求められた第三者委員会をすでに設置しており、再発防止策などの報告を今月末にも受けるという。

 子会社の積和サポートシステム(東京都中央区)が運営する「Sアミーユ川崎幸町」では昨年11~12月に3人が転落死したほか、今年3月に入浴中の男性が死亡。5月に家族からの通報があり、職員4人が入所者の頭をたたくなどした虐待も判明した。メッセージ社が直営する大阪府豊中市の老人ホーム「アミーユ豊中穂積」でも6月、職員が入居女性を虐待していた。

 一方、川崎市は13日、積和サポートシステムの岩本隆博社長に、介護保険法に基づき、施設からの市への介護保険請求を3カ月間停止する行政処分を科す方針を伝えた。処分は来年2月からの予定で、施設は入所者の自己負担分も受け取れず、運営費はすべて自らまかなうことになる。取材に応じた岩本社長は「一日も早く信頼を回復できるよう取り組む」と述べた。

 東京都も13日、介護保険法に基づく業務改善を同社に勧告した。同社とメッセージ社が運営する都内の40施設を調べたところ、区市町村に報告する義務がある事故が2010年から5年余で714件あった。このうち入所者が死亡した事故は61件。風呂場でおぼれて後日亡くなったり、入所者が施設から飛び降りたりしたケースがあった。また、「入所者を蹴り、右手に内出血を負わせた」「入所者の顔を平手でたたいた」など職員らによる虐待も3件あったという。