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 自民党と公明党が議論を急ぐ消費税の軽減税率は、欧州ではおよそ半世紀の歴史があるしくみだ。付加価値税(VAT)の税率を低く抑えるモノやサービスには、生活必需品にあたる食料品や水道水のほか、「文化や民主主義を守る」として映画や新聞が入る国もある。

 ロンドンのお昼どき、会社員らがスーパーマーケットの冷蔵コーナーから、2~3ポンド(約370~555円)ほどのサンドイッチを手に取っていた。その一人、チョーサ・カディフさん(35)は「昼食はだいたい、ここで買って済ませる。VATもかからないから。助かるね」と話す。

 日本の消費税にあたるVATの税率は、英国では標準の20%と軽減の5%、0%の3段階ある。パンや野菜などほとんどの食料品や子ども服などは0%で、冷やしてあるサンドイッチもこの対象だ。だが、持ち帰りでも温めたものはぜいたくな外食とみなされ、標準の20%がかかる。こちらの商品を五つ買えば、その商品一つ相当の金額のVATを支払うことになる。

 ロンドンのベーカリーでは、チョコレートのショートブレッドは20%でも、アップルパイは0%だ。店主のエミン・ムスタファさん(55)は「チョコはぜいたく品だからだと思うけど……。理屈はよくわからないが、ややこしいのは確かだ」と言う。値札の表示は、商品ごとに異なる税率で計算した税込み金額にした。英歳入関税庁のホームページには、「アイスクリームは20%」「ムースは0%」など、商品と税率が細かく書かれている。

 欧州連合(EU)の28の加盟国で、食料品が軽減税率の対象となる国は23にのぼる。フランスでは、輸入品のキャビアは標準税率の20%だが、高級食材でも主に国内産のトリュフやフォアグラは、5・5%しか上乗せされない。マーガリンは20%でも、農業団体の力が強いとされるバターは5・5%など、どの国もわかりにくさを抱える。

 シンクタンクの英財政研究所のスチュアート・アダム氏は「基本は生活必需品かどうかだが、政府が個々に判断する。軽減対象の線引きは消費者にはわかりにくい面もある」と解説する。英国では、チョコレート菓子メーカーが、標準税率のチョコビスケット扱いにされた商品を税率0%のケーキと認めるよう裁判を起こし、政府の判定が見直されたこともある。(ロンドン=寺西和男)

■EU、大半…

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