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 パリを襲った衝撃は、仏週刊新聞「シャルリー・エブド」などが標的にされ、死者17人を出した1月の連続テロを上回った。仏政府が最高レベルの厳戒態勢を敷き、対テロ戦争を名目にシリアなどに軍事介入を強めるなかで起きた事件。テロの連鎖に、世界がたじろいでいる。

 13日夜の犯行は、無差別の銃撃や自爆テロがわずか30分ほどの間に6カ所で発生した。爆発物や自動小銃、乗用車が使われ、極めて組織的な犯行であることがうかがえる。

 仏紙ルモンドによると、最初に事件が起きたのは午後9時20分(日本時間14日午前5時20分)。パリ北郊にある8万人超収容の競技場「スタッド・ド・フランス」だった。2014年サッカー・ワールドカップ王者のドイツとフランスの親善試合に、数万の観客が詰めかけていた。

 競技場に爆発音が響き渡った瞬間、フランス代表DFエブラは虚をつかれたように足を止めた。

 爆発は3回。競技場入り口や、付近のファストフード店で起きた。観戦していたオランド大統領は内務省に向かった。

 だがパニックを防ぐため、観客には事件は知らされず、試合も中断されなかった。スタンドで観戦していたフランス在住のギリシャ人パブロス・ヤルラキスさん(41)は、2度の爆発音を耳にしたが事件と気づかず、周りの観客の様子も変わらなかったという。

 競技場で爆発音が響いた5分ほど後。パリ東部のカンボジア料理店「ルプチカンボジュ」の近くに住む住民は「花火のような破裂音」が30秒続くのを聞いた、とAFP通信に証言した。すぐに料理店に赴くと全員が倒れ込んでいた。「誰もが事態をのみ込めず、静まりかえっていた。若い男性が抱える少女は、すでに亡くなったようだった」

 そして午後9時49分ごろ。カンボジア料理店から約1キロ南にあるコンサートホール「ルバタクラン」に自動小銃AK47を持った黒装束の犯人らが乱入した。米国のバンド「イーグルス・オブ・デスメタル」のライブが始まってから約1時間後、会場はファン1500人でごった返していた。

 会場にいたジュリアン・バンティゲムさん(28)は朝日新聞の取材に「途絶えることなく銃撃が続いた。10分ほどだったと思う。長かった」と話した。

 AFP通信などによると、容疑者は叫び声を上げて逃げる人々に対しても冷酷に銃撃を続けたという。

 目撃者は現地メディアに「犯人は『神は偉大なり』と叫びながら銃を乱射し、人質を取った」と証言。地元ラジオ局員のピエール・ジャナザックさんは「犯人が『オランドのせいだ。お前らの大統領のせいだ。シリアに介入すべきではなかった』というのを聞いた」と語った。

 仏紙ルモンド(電子版)が掲載した動画は、「バン、バン」と断続的に銃撃音が響く会場から、観客が叫び声を上げて一斉に逃げ出す様子を映し出した。

 足を引きずりながら逃げ惑う人、力尽きて倒れた仲間を引きずる男性。銃撃を避けようと、3階の窓枠から、外にぶら下がって耐える人もいた。

 犯人グループは襲撃後、一時人質をとった。警官隊が突入すると、犯人のうち3人が自爆装置を起動させて死亡。また1人は警官に射殺された。多数の観客が死亡し、今回の多発テロで最大の犠牲者が出た。

 ホール近くのカフェ「ラベルエキップ」、レストラン「ラカーザノストラ」でも銃が乱射された。地元メディアは、目撃者の声を伝えた。「死者やけが人がバタバタと倒れ、一面に血が飛び散った」「通りでも死者が出た。辺りは血だらけだった」

■新聞社襲撃後は厳戒態勢、しか…

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