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近藤魁さん(91)福岡県北九州市

◆米大統領に――《広島、長崎、福島を訪ねて下さい。何も言われなくても結構です。実行して下さい》

 40年余りの教師生活で教え子には一度も、軍人だったことや広島で被爆したことは話さなかった。孫、ひ孫はもちろん、2人の息子にもまだ話していない。

 近藤魁(かい)さん(91)=北九州市八幡東区=は広島で地獄を見たが、「戦争とは無関係な人間」を貫いてきた。

 大阪外国語学校(現大阪大)在学中に徴兵検査を受け、陸軍特別甲種幹部候補生に。豊橋陸軍予備士官学校を卒業し、見習士官集合教育のため広島市を訪れた30時間後、その時が来た。

 1945年8月6日朝。爆心地から約1キロの広島城三の丸にあった兵舎前で「真っ白い閃光(せんこう)、それから七色のきれいな光を見た」。その後、「ゴーッ」という爆音がし、爆風と共にガラスや石が押し寄せた。とっさに目と耳をふさいで伏せたがすでに遅く、熱線に体を焼かれていた。

 「やられた」。仲間のうめきや叫び声。兵舎は崩れて炎が上がり、「助けてくれー」という声が聞こえた。体中に大やけどを負い、肌は焼けただれ、髪の毛も焼けた。必死の思いで風下に逃げると、別の隊は将棋倒しになって息絶えていた。歩く人はみな手をだらりと下げ、皮膚が垂れていた。腹から腸をぶら下げながら歩く男もいた。

 数日後、被災者収容所に運ばれ…

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