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鬼海登喜子さん(81)福岡市東区

◆妹の夫中村さんへ――《幸せに暮らしていた家族が原爆で地獄の底に落とされ、苦労しましたね》

 自身も経験した長崎原爆のことを思うとき、鬼海(きかい)登喜子さん(81)=福岡市東区=は一時、同居していた7歳年下の妹の夫、中村和明さん(享年74歳)のことが浮かぶ。

 敬虔(けいけん)なクリスチャンで、誰よりも優しく、家族を思ってくれた。だがある晩、言った。「米国を憎む」と。感情を抑えるような静かな口調だったが、怒りに満ちた目をしていた。原爆で一瞬にして母と兄を亡くしていた。

 長崎市内で中村さんと同居したのは1964~71年の7年間。ふだん物静かで口数は少なかったが、互いに助け合いながらの家族同然の生活の中で、被爆体験を語ってくれた。

 中村さんは爆心地に近い城山町で被爆した。原爆で壊滅し、多くの犠牲者が出た場所だ。自宅は倒壊し、母が死んだ。旧制県立瓊浦(けいほ)中にいた兄も犠牲になった。当時、中村さんは鬼海さんより一つ年下の10歳。友達と横穴の防空壕(ごう)の奥深くで穴を掘って遊んでいて、助かった。父親と木切れを集めて2人を火葬した。

 「まだ親が恋しい年頃の子どもの手で、母と兄を火葬したその悲しみは、それは深かったと思いますよ」

 中村さんは60歳を過ぎた頃か…

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