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外国人@ニッポン 日本文学研究者 ロバート・キャンベル氏(58)

 難民問題への対応が試金石になる――。そう主張する日本文学研究者のロバート・キャンベルさん(58)が、日本で進む多国籍化の背景や課題などを語った。

 私の居住環境や職場で、ここ数年で外国人がぐっと増えたかというと、それほどの実感はない。ただ、自分の居住区ではないが、団地など様々な場所に行くと、日本国籍ではない人が、生活空間の中で増えているとは感じる。

 私が住んでいる東京都内の区で増えたと言えるのはネパール人だ。これまで日本で働いてきたインド人が母国の経済成長に伴って帰国したり移動したりして、入れ替わるように所得が低いネパール人が来るようになったと言われている。同じように母国が経済発展したブラジル人が減り、ベトナム人が増えるといった循環があるように思う。

 一方、日本人が外国人を見る目はずいぶんと変わった。私は1980年代から日本にいるが、震災などを大きな契機として、日本人の見方が緩やかに変化してきたと感じる。外国人がいる風景や職場が、だんだん普通になってきたことは間違いない。外国人を、ただ助っ人として雇い入れるのではなく、積極的に協働している。振り返ってみると、90年代に外資系企業が多く日本に入ってきたのが、大きな節目になった。外国人と一緒に働くことが普通になった。

 80年代半ばから日本の大学で働いているが、外国人であるがために壁にぶつかり痛い目にあったことはほとんどなかった。稀有(けう)な存在だと思っている。大学内では先生、生徒という、できあがった関係性があり、先生であれば、外国人であっても役割分担があった。日本の社会は、言葉も日常的な習慣も、役割の中で対応したり、受け入れたり、拒否したりする部分が多い。役割や立場というものが与えられると、その組織や地域のルールに従って進んでいけば受け入れられる。

 日本人は仲間意識が非常に強く、集団の中で定められた役割や肩書があれば、外国人でも、働くのも学ぶのも難しくはない文化がある。外国人が生活するための扉は用意されていると思う。90年代には永住権取得の手続きが簡素化され、外国人が入国しやすくなり、生涯キャリアを日本で全うしやすくなった。

 大学の外の市民社会では、欧州などの他の国と比べて閉ざされていると感じたこともあるが、今は、それもあまりなくなった。むしろ海外からの優秀な人材を取り込むのに苦心している企業が多いのではないだろうか。

 今、シリアの難民問題が欧州を…

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