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 2017年の世界遺産登録をめざす国内候補となった福岡県宗像市の沖ノ島が17日、報道陣に公開された。玄界灘の中央に浮かぶ孤島。その島影は雨にけむり静かにたたずんでいた。

 沖ノ島は「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の中核資産。宗像大社の「沖津宮」があり、神職が1人ずつ交代で島に渡って守っているが、一般の入島は毎年5月の「沖津宮現地大祭」以外は原則として禁じられている。

 この日はあいにくの雨が降る中、島に着くと、約50人の報道関係者ら全員がまず裸になって海中に入りみそぎをした。宗像大社の神職や宗像市職員の案内で山に分け入ると、急な坂道を上った林の中に沖津宮があった。付近には10メートルを超える巨大な岩がいくつもあり、この岩上や周囲などで4~9世紀、朝鮮半島や中国との外交交渉の成功や航海の安全を祈って国家的祭祀(さいし)が行われていたという。

 島には「一木一草一石たりとも持ち出してはならない」などのタブーがあり、原生林が広がる豊かな自然が残っている。10月に訪問したユネスコの諮問機関イコモスの役員らも、そんな島の姿に驚き、感心していたという。(馬郡昭彦)