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 大阪府知事と大阪市長のダブル選で、公明党の地方議員や元議員らが水面下で自民党推薦候補の支援の動きを強めている。党と支持母体の創価学会は「自主投票」で、組織を使わないという制約を受けながらの活動だ。大阪維新の会(代表・橋下徹大阪市長)は公明支持層を引き寄せようと声高な公明批判を避ける。

 17日、大阪市の東住吉区役所前。自民党推薦の市長候補の柳本顕氏(41)の隣で公明党の清水義人前府議がマイクを握った。「大阪都構想は決着がついた。もう一度大阪を混乱の時代に引き戻そうとしている」。都構想再挑戦を批判した。

 清水氏と柳本氏は公明党府議団と自民党市議団の幹事長として、一緒に都構想反対の論陣を張ってきた。4月に引退した清水氏は取材に「議員バッジを外したから知らん、とは言えないだろう」と話した。

 だが、公明党府本部が活動に制約をかけており、表立っての活動はまれだ。佐藤茂樹府本部代表は7日の地方議員を集めた会合で「議員個人の人脈への訪問や対話にとどめる」などと指示。府議団と市議団の会議でも「自民党主催の集会への参加や組織への働きかけの禁止」を確認した。柳本陣営の幹部も「住民投票の時はマイクを一緒に握ってくれた。でも今回は表に出ないよう隠れている」と語る。

 5月の住民投票で反対の方針を打ち出した公明党府本部が自主投票を決めたのは、大阪維新との全面対決の回避が念頭にある。公明党は府内4小選挙区に現職衆院議員を抱える。橋下氏が結成した国政政党「おおさか維新の会」が対抗馬を出せば選挙は厳しい。「自民党は連立相手だが、維新にも候補者を立てないでもらっている。中立しかない」(府本部幹部)

 それでも地方議員はかいくぐるように水面下で動く。ある大阪市議は支援者を集めた集会で「都構想に反対した経緯を踏まえて投票してほしい」と呼びかける。府議の一人は「マイクだけは持つな、と言われているから」と、企業の訪問を続けているという。

 吉村洋文前衆院議員(40)を公認した大阪維新は、橋下氏が街頭で「公明党が『向こうにつく』と言った瞬間に総攻撃をしかける」と牽制(けんせい)していたが、自主投票が決まってからは鳴りを潜めている。公明党支持者を刺激したくないからだ。大阪維新幹部は「敵ではないというメッセージ。自主投票を徹底してくれればいい」と語った。

 市長選には中川暢三氏(59)と高尾英尚氏(33)も立候補している。(太田成美、今野忍)

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