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 介護施設でお年寄りとまったりしたり、防犯パトロールで地域の安全を見守ったり。和歌山のボランティア犬「もか吉(きち)」(オス、4歳)の生い立ちが、1冊の本になった。拾われたころは病弱で人嫌いだった子犬が、地域で活躍するようになるまでの物語を、ジャーナリストの江川紹子さん(57)が、温かみのある文章でつづっている。

 野良犬のもか吉は、母犬や2匹のきょうだいと暮らしていたが、母犬が出かけている間は街中の側溝に隠れて過ごしていた。ところがある日、母犬が帰ってこなくなって約1週間放置され、弱って逃げることもできずにいたところを、2011年6月、元動物病院看護師の吉増(よします)江梨子さん(35)=和歌山市福島=の知人が見つけ、連絡を受けた吉増さんが保護した。

 当時は生後2カ月ほど。全身に付いたダニやノミに血を吸われ、抱き上げた吉増さんの手を1回かむとぐったりしてしまうほどの貧血状態だった。「駆除薬が効くのを待っていたら死んでしまう」。吉増さんが自宅で一匹ずつピンセットで取り除き、一命を取り留めた。吉増さんの長女が、かつて飼おうとしていた猫につけようと思っていた名前「もか」にちなんで、もか吉と名づけられた。

 その後もドッグフードは受け付けず、食物アレルギーで米や芋しか食べられなかったため、毎日芋がゆを炊いたり、散歩中にすれ違う人にお願いして、おやつをあげてもらって人に慣れさせたりした。動物病院が開設する、日中に飼い主から預けられ、しつけの先生がいる「犬の幼稚園」にも通って、介抱を続けた。半年後には、動物と触れ合うことで心を癒やす「セラピー」を施すため、先生と一緒に老人ホームを訪ねられるほどおっとりとした性格を取り戻した。

 「どこに行っても大丈夫」と先生からお墨付きを得ると、県と市が小学校で開く動物愛護教室に参加するための審査を12年7月に受け、ボランティア犬としてデビュー。今では、目印の黄色いバンダナを首にまき、散歩中に登下校中の小学生を見守る防犯パトロールに毎日出動する。週に4回は高齢者の福祉施設のセラピーや小学校の愛護教室にも出かけ、大忙しだ。

 今年11月中旬、もか吉と吉増…

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