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 米国立保健研究所(NIH)は18日、新しい薬や治療法開発などのために行う動物実験で、これまで条件付きで認めてきたチンパンジーの使用を今後は取りやめると発表した。実験用にNIHが飼育している50頭は、ルイジアナ州の保護専用施設などに移すという。

 ヒトに極めて近いチンパンジーを、痛みの伴う実験などに使うことに反対する声が強まっていた。フランシス・コリンズ所長は声明で、「ここ数年で(動物実験をめぐる)状況は大きく変化しており、転機を迎えたのは明らかだ」などと述べた。チンパンジー以外の霊長類への動物実験には影響しないという。

 NIHは2013年、チンパンジーの動物実験を大幅に減らす方針を公表。公的資金の助成を受けた生物医学研究では、本当に必要かよく確かめた上で、50頭に限って使用を認めてきた。その後、チンパンジーを使った新たな動物実験の申請は出なかったという。

 米メディアによると、NIHでは13年の規制強化前まで、約450頭のチンパンジーを研究施設などで飼っていたという。今年6月、米魚類野生生物局は、飼育下にあるチンパンジーも野生の個体と同じように絶滅危惧種に指定する新たな方針を発表した。(ワシントン=小林哲