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 20日に亡くなった北の湖理事長は、今場所も毎日、福岡国際センターの役員室で上位陣の取組をテレビで見ながら報道陣に解説していた。10日目の17日、横綱白鵬が関脇栃煌山戦で相手の顔の前で手をたたく「猫だまし」を繰り出すと、「横綱としてやるべきじゃあない。栃煌山が仕切っているときにガチガチだから、決めたかも知れないが、拍手も何も起こらない。稽古場のなかでやるにはいいが前代未聞じゃあないの」などと苦言を呈した。

 ただ、歩くのもたどたどしく、一般人の目に触れない場所では車いすで移動していた。「腰が痛い。目も見えにくい」などと嘆くことも多く、その声には張りがなかった。

 亡くなる前日の19日も、いつも通りに観戦。結びの一番で日馬富士が勝って1敗を守ったことで、「日馬富士は休場明けでよく1敗で来たよ。なんだかんだいいながら」と語った。13日目(20日)の白鵬と日馬富士の直接対決の予想を問われると、「(白鵬から見て)7対3だね。白鵬は安定感と体の大きさ、柔らかさ、そこが強さだね」。これが報道陣への最後の言葉となった。