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 20世紀と21世紀をまたいで世界首位の携帯電話メーカーだったフィンランドのノキアが、攻勢をかけ始めた。携帯電話向け基地局などを扱う通信インフラメーカーへと主力事業を大胆に転換し、再びトップを競う地位に。東京五輪に向け、日本での体制も強化する。

 ヘルシンキで11月にあった起業支援イベント「スラッシュ」で、最も長い行列ができていたのはノキアのブースだった。お目当ては、年内にも売り出す仮想現実(VR)撮影用のカメラ「OZO(オゾ)」だ。

 ゴーグルをかぶると、周りの世界がいきなりコンサート会場になった。八つのカメラを持つOZOで撮影した映像は、舞台上でバイオリンを弾く人や隣に座っている観客を立体的に映し出す。まるで実際にその場で聴いているかのようなVRの世界をつくり出せる。

 携帯電話カメラの技術を応用して、映画など特殊映像を撮るプロ向けに開発した。12年の売上高の約半分を占めた携帯端末事業を米マイクロソフト(MS)に売却した後、設立した先進技術開発部門が自ら開発して初めて売り出す商品だ。新商品をアピールし、起業家ともアイデアを交換しようとイベントに参加した。

 「携帯で培った様々な技術で、新しい分野に挑戦する」と担当のロバート・モリノさん。新規事業の育成に向けて、攻め始めた。

 そんなノキアをいま、支えるのが売上高の9割を占める通信インフラ事業だ。日本では、高速通信の携帯向け基地局ですでに首位。NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの大手3社に納める。来年初めに約2兆円での仏通信大手の買収が完了すれば、無線通信機器の世界シェアは15%前後から25%前後となり、スウェーデンのエリクソンなどと首位を競う位置に立つ。

 通信インフラ部門のノキア・ネットワークスのラウリ・オクサネン副社長は「工場の生産設備や医療機器など、あらゆるものが通信でつながるいま、通信インフラにはチャンスがあふれている」と話す。

 めざすのは、次の世代となる第5世代(5G)の高速通信規格の実用化で主導権を握ることだ。たとえば、車の自動運転では前方の車の位置をつかむため、瞬時にデータをやりとりする必要がある。現行より1千倍もデータを送れる5Gは欠かせない。エリクソンは今月、米通信機器大手と提携するなど、実用化に向け各社がしのぎを削る。

 当面のターゲットは、試合会場で大多数の人が携帯を使う、20年の東京五輪・パラリンピックだ。5月に神奈川県川崎市に研究開発拠点を開き、これまでの2倍の約300人体制で、NTTドコモなどと研究を急ぐ。中国でも5G時代を見据え現地大手と覚書を結ぶなど先手を打っている。

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