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 本州最多のサケの漁獲量を誇る岩手県で、新巻きザケづくりが始まった。東日本大震災の津波で孵化(ふか)場が被災し、放流が減った影響などで回帰するサケが減っているなかで、復興に向けて作業を本格化している。

 県によると、11月末までの県内の海でのサケの漁獲量は約196万匹で、震災前年の約6割。孵化場の被災で震災から2年間、放流数が震災前の約7割にとどまった影響に加え、海水温が高くサケの南下が遅れたためという。来春の放流に備えた採卵にも影響が出るとして、漁協などは食用の一部を採卵に回している。

 お歳暮にも好まれる新巻きザケづくりは、防潮堤建設やかさ上げ工事が進む釜石市などで始まった。首都圏にも出荷する同市の海産物加工販売会社「リアス海藻店」の平野嘉隆社長(44)は「不漁で例年の3分の2ほどしか作れない」と嘆く。宮古湾近海に船を出す漁師佐々木信幸さん(40)は「気温が下がって北の風が吹けばサケも来るはず。これからに期待するしかない」と話す。(山浦正敬)