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 瀬戸内海の自然環境の経済的価値を金額で出そうという調査を、立命館大や長崎大、甲南大などの研究チームが今月から始めた。17年前も同様の調査を行ったが、生物多様性への意識の高まりなどによる価値の変化を探り、海の管理方法の検討に役立てたいという。

 調査はインターネットを通じたアンケート形式でだれでも参加できる。自然海岸に近い環境を250メートル復元▽藻場を移植して10ヘクタール育成▽里海の管理活動の基金創設――など四つの仮想の計画にそれぞれいくら払う意思があるか質問。瀬戸内海の自然海岸の距離や沿岸の世帯数などを踏まえて統計処理し、全域の価値を計算する。

 1998年に研究チームと朝日新聞がほぼ同じ設問と手法で調べたところ、約454兆円と算出された。経済的価値が分かれば、管理や保護に投じる予算を考える目安になる。調査責任者で里海の概念を提唱した柳哲雄・九州大名誉教授は「瀬戸内海にどのような価値を認めているか正しく知ることは、適切な環境政策の立案に不可欠だ」と話す。

 瀬戸内海は人が適度に手を加えて生産性と生物多様性を高めた「里海」として機能してきた。埋め立て地が増え、海洋汚染も一時深刻化したが、最近は水質が改善した海域もある。

 沿岸部の住民以外も対象。専用サイト(http://goo.gl/forms/mj6P6jja5k別ウインドウで開きます)で回答できる。(合田禄)

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