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 マイナンバー(社会保障・税番号)制度は「プライバシー権を保障した憲法に違反する」として、市民156人が1日、国を相手にマイナンバーの使用差し止めと、1人あたり10万円の慰謝料を求める訴訟を、東京地裁など全国5地裁に一斉に起こした。

 ほかに提訴したのは、仙台、新潟、金沢、大阪の各地裁。弁護団によると、横浜、名古屋、福岡の各地裁でも、早ければ年内に同様の訴訟を起こすという。この日、訴えたのは会社員や自営業者のほか、市議会議員や医師など。

 訴状で原告側は、日本年金機構から約125万件の個人情報が流出した問題もあることから、「政府のセキュリティー対策は不十分で、情報漏洩(ろうえい)の危険性は明らか」と指摘。「様々な個人情報が取得され、なりすましなどの犯罪に使われるおそれがある」と主張している。「行政機関による監視が強まる危険性もある」とも訴えている。

 マイナンバー制度は、来年1月から運用が始まる予定。10月から「通知カード」の配達が始まり、11月中におおむね全世帯に配る予定だったが、作業が遅れて12月にずれ込む地域も出ている。

 提訴後に東京都内で会見した原告の元東京都杉並区議、奥山妙子さん(58)は「国民の関心は低いが、提訴を通じて多くの人に問題を知ってもらえれば」。弁護団の水永誠二団長は「制度が稼働してからでは修正は難しい。いったん止めて見直す必要がある」と話した。