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 広島県福山市は1日、介護事業所「グループホームかざぐるま」で、管理者だった男性が認知症の入居者に虐待をしていたと発表した。プロレス技をかけたり、犬のような名前で呼んだりしていたという。市は1日、施設に対し、新規入居者の受け入れを半年間停止させる行政処分を出した。

 市長寿社会応援部によると、この施設には認知症の高齢者26人が暮らしている。匿名の通報をもとに市が調べたところ、約20人の職員を束ねる30代の男性管理者が4~5月に複数回にわたって、80代の男性の両足を押さえつけ、4の字固めをしたことがわかった。入居者にけがはなかった。また、管理者は80代の女性を「ペス」と継続的に呼んでいたという。

 この管理者は、11月中旬に退職した。市の調べに「入居者が徘徊(はいかい)をやめず、ストレスからやった」と話しているという。

 また、この施設を運営する「リブネット」の広川彰社長は、虐待の事実を知りながら、10月に市の調べを受けた時に「虐待はなかった」と虚偽の報告をしていたという。

事業者幹部語る

 「現場のモラルが崩壊していた」

 プロレスの技を入居者にかけたり、犬のような呼び方で呼んだり。入居者への虐待や暴言があったとして、行政処分を受けた「グループホームかざぐるま」(福山市御幸町)。運営する事業者「リブネット」の広川琢哉役員(39)は1日、取材に対し、厳しい表情で語った。

 事業所によると、管理者だった男性が入居者にプロレス技の4の字固めをかけていたことに少なくともスタッフの1人は気付いていた。だが報告などはせず、見過ごしていたという。広川役員は「すべて私たちの責任。本当に申し訳ない。再発防止に全力で取り組んでいく」と話した。

 管理者だった男性は11月中旬に退職した。だが今も、かざぐるまには認知症の高齢者26人が暮らす。どう再発を防ぐかについては、これまでも開いてきた勉強会の開催や、職員へのストレスチェックの実施などを挙げた。広川役員は「人としての倫理観、介護職員として持つべき感覚を勉強し直したい」と話す。

 福山市の藤井孝紀・長寿社会応援部長は、市役所で開いた記者会見で「グループホームは認知症の人を受け入れる専門的な事業所。あってはならないことが起きた。目が届かず、申し訳なくて残念だ」と話した。

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus

(久保田侑暉、雨宮徹)

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