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 内戦下のシリアで過激派組織「イスラム国」(IS)による世界遺産パルミラ遺跡の破壊など多くの歴史遺産が危機にさらされる中、隣国レバノンの首都ベイルートで3日、日本の学会が呼びかけた「シリア考古学会議」が始まった。各国の研究者が調査成果を報告し、文化財の保護や将来の復興に役立ててもらおうという初の取り組みだ。

 日本西アジア考古学会の西藤清秀会長(奈良県立橿原考古学研究所技術アドバイザー)は2日、朝日新聞などと会見し、「発掘成果の情報共有の場にしたい」。シリア文化省で遺跡保存を担当する文化財・博物館局のマムーン・アブドルカリム局長は「シリアの遺跡や考古学をどう守り、未来に向けて協力できるかを話す良い機会だ」と語った。

 同学会はシリアで発掘調査に携わった各国の調査隊に呼びかけた。東京大や筑波大、高知工科大など日本から10人、シリアから招待した約30人のほか、レバノン、フランス、ドイツなど13カ国から計約100人が参加する。

 7月から開催費や文化財保存の資材購入などの支援金を募り、約500万円が集まった。同学会は2日、文化財を包装する和紙1600メートル分をシリア側に贈った。

 会議は6日まで。パルミラやアレッポ、ラッカなどシリア各地での調査成果が報告される。(ベイルート=渡辺丘)

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