天皇、皇后両陛下のフィリピン公式訪問が、4日午前の閣議で正式に決まった。日程は来年1月26~30日で調整している。日本とフィリピンが来年、国交正常化60周年を迎えるにあたって招待があった。歴代天皇のフィリピン訪問は初めて。両陛下にとっては皇太子ご夫妻時代の1962年11月以来となる。

 戦時中、フィリピンは日米両軍の激戦地となり、日本側の約51万8千人が犠牲になったほか、多くのフィリピン住民が巻き込まれて亡くなった。天皇陛下は6月にフィリピンのアキノ大統領を招いた宮中晩餐(ばんさん)会で「私ども日本人が深い痛恨の心と共に、長く忘れてはならない」と話していた。

 両陛下はかねて戦争犠牲者に心を寄せてきた。戦後50年の1995年に長崎や広島への「慰霊の旅」、戦後60年の2005年、70年の今年は太平洋戦争の激戦地・サイパンとパラオをそれぞれ訪問。今回は「戦後70年を過ぎても、なお慰霊を続けるという両陛下の思いの表れ」と宮内庁関係者はみる。

 今回、両陛下は首都マニラに滞在し、日本側慰霊碑だけでなく、フィリピン側の「無名戦士の墓」への供花が計画されている。(島康彦