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 おじさん。本当にありがとう――。41年間、山形県鶴岡市立羽黒第四小学校に匿名の手紙を添えた図書費を送り続けてきた「鶴岡のおじさん」こと金野昭治さん(68)=仙台市=が4日、今年度末の閉校を控えた最後の「おじさん祭り」に初めて参加した。目標を持って努力し続けることの大切さを語った金野さんの言葉を、子どもたちはそれぞれの胸に刻みつけた。

 金野さんは1974年から毎月、羽黒四小に寄付を続け、児童から謎の「鶴岡のおじさん」として親しまれてきた。本当は50年寄付を続けるつもりだったが、学校が来春閉校されることとなり、区切りをつけようと名乗り出た。

 この日、午前11時過ぎに来校。3年生以上の児童に講話し、「四小の図書を充実させ、地域に恩返ししたい」という目標や夢を持ち、心に決めて実行したことを説明した。今井大稀君(3年)は「決めたことを最後までやり続けるのはすごい」と感心しきり。

 金野さんは児童と一緒に給食を食べた後、「おじさん祭り」に臨んだ。昨年までは、児童が想像で似顔絵や作文を書くなどしてきたが、最後の会で拍手に包まれて本人が入場。1年生の宮川結愛ちゃんから、花束をもらい、「ありがとう」と表情をほころばせた。

 保護者として参加した母親の千春さん(33)も同小の卒業生。在学中は、まだ見ぬおじさんの似顔絵を何枚も描いた。「私も娘もずっとおじさんに見守られてきたんだとジーンときました」

 全校生徒が歌う「BELIEVE」の替え歌や贈る言葉は、3、4年生6人が相談して考えた。「心を込めて歌おう おじさん本当にありがとう」と歌い終えると、おじさんは言葉を詰まらせた。

 司会を務めた百瀬蒼(そう)君(3年)は、「僕も泣きそうになったけどこらえた。感謝の気持ちを伝えることができてよかった」。

 羽黒第四小は隣の第三小と統合し4月から「広瀬小」と校名を変更、子どもたちは元の第三小の校舎に通う。おじさん文庫の一部は広瀬小に移って活用されるという。(米沢信義)