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 米カリフォルニア州サンバーナディノで14人が殺害された銃乱射事件で、オバマ大統領は5日の演説で、犯人たちが「暴力的な過激思想」に触発された恐れがあるとの見方を示し、「我々は恐れない」とテロに屈しない姿勢を強調した。米連邦捜査局(FBI)もテロ事件として捜査する方針を表明。容疑者の一人は、過激派組織「イスラム国」(IS)指導者への忠誠を誓う投稿をしており、ISが影響を及ぼしたとみられるテロ事件が米国内でも起きたことに、衝撃が広がっている。

 米国内で起きたテロとしては、2001年の米同時多発テロ以降で、最も多くの死者を出した事件となった。オバマ大統領はインターネット上で公開している週末の定例演説で、警察との銃撃戦で死亡したサンバーナディノ郡職員のサイード・ファルーク容疑者(28)と、妻のタシュフィーン・マリク容疑者(27)について、「過激化し、テロに及んだ可能性が全面的にありうる」と述べたうえで、「ISなどのテロ組織が、米国を含む世界中の人々に過激な暴力行為をそそのかしている」と指摘。テロに屈しない姿勢と国民の団結を訴えた。

 FBIのコミー長官も会見で、「海外のテロ組織に触発され過激になった可能性がある」と述べた。米メディアによると、マリク容疑者はフェイスブックでISの指導者に忠誠を誓っていた。フェイスブック社によると、乱射事件の発生とほぼ同時刻にこうした投稿があったという。

 ただコミー氏は、2人がISなど大きなテロ組織の一員である形跡はないと話した。ロイター通信は米当局者の話として「ISがテロを直接指揮したという証拠は現在ない」と伝えている。ISが運営するラジオ局アルバヤンは5日の放送で2人について「ISの支持者」と言及したが、フランスでのテロ実行犯らに用いた「ISの戦士」などという表現はしていない。

 米政府は、今回の事件のように、過激派に影響を受けた国内の犯人が起こすテロを以前から警戒。米軍が2014年8月にISの空爆を始めてからはさらに警戒を強めていたが、防ぐことはできなかった。(サンバーナディノ=中井大助、ワシントン=峯村健司)