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 東芝の不正会計問題で株価が下がって損害を受けたとして、個人株主50人が7日、東芝と歴代3社長ら元役員5人に、計約3億円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。弁護団は「被害を受けた国内の個人株主は30万人以上と推定され、過去最大の消費者被害だ」と訴えている。

 東芝によると、不正会計問題で株主が国内で提訴したのは初めて。弁護団によると、14日には大阪地裁でも約40人の個人株主が約1億円の賠償を求めて提訴。福岡地裁でも21日に提訴する。各地裁で追加提訴が検討されており、原告は1千人規模になる見込みだという。

 この日提訴したのは、東京、北海道、愛知などの株主50人。訴えられた元役員5人は、西田厚聡、佐々木則夫、田中久雄の歴代3社長のほか、いずれも最高財務責任者だった村岡富美雄、久保誠の両元副社長。

 訴状によると、東芝は2008年4月~14年12月、利益を水増しした虚偽の有価証券報告書を公表。不正の発覚を受け、決算発表の延期を公表した今年5月8日以降、11月末までに株価が4割近く下がった。株主側は「虚偽記載を知っていれば株を買わなかった。何の落ち度もないのに被害を受けた」と主張している。

 また、不正発覚後の東芝の対応を「虚偽記載の内容を小出しにしており、悪質極まりない」と批判。「こうした公表方法を許さない判例をつくる必要がある」とも訴えている。

 元社長ら5人は、東芝が設けた社外の弁護士による「役員責任調査委員会」で不正の責任があると認定され、東芝からも総額3億円の損害賠償を求める訴訟を11月に起こされている。

 東芝は「訴状を受け取っていないため、コメントは差し控えます」としている。(千葉雄高)