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 三省堂(東京都)が国に検定申請中の自社の教科書を教員に見せる会議を開き、謝礼金を支払っていた問題で、同社の北口克彦社長は7日、社内調査結果をまとめた報告書を文部科学省に提出した。会議をやめて別の方法で教員の意見を聴くことや、謝礼金の支払いに内規を設けることなど再発防止策を盛り込んだ。

 報告書によると、同社は2009~14年に7回、同様の会議を開き、判明しただけで東京、栃木、大阪、三重、福岡など26都府県の公立小中学校の校長や教頭ら53人が参加。宿泊費や懇親会費のほか、謝礼金5万円を支払ったとしている。

 このうち、今年10月に発覚して問題化した14年8月の会議では、参加した11府県の11人のうち10人が懇親会に出ており、5人は2次会にも参加。会議があった都内のホテルに8人が宿泊し、6人は翌朝の朝食を食べていた。いずれも費用は同社が負担した。謝礼金はその場で辞退した人も含め全員が返金したという。

 文科省によると、参加した教員が、教育委員会が教科書を選ぶ際に助言する「調査員」になったケースもあった。ただ三省堂は、会議では教科書を売り込む行為はなかったとして、教科書選びには影響していないとしている。

 北口社長は報告書提出後の記者会見で「弊社の教科書発行に対する基本的姿勢が誤っていた。深く反省している」と陳謝。教科書会社でつくる「教科書協会」の理事を辞任する意向を示した。