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絵本作家・いせひでこさん

 私は、言葉で自己主張するのが苦手な子でした。幼い頃から絵が言葉でした。教えてくれたのは銀行員の父です。小さい頃から北海道の広大な草原、牧場や馬を描く父を見ていました。

 “教育ママ”だった母の助言に従って、芸大にストレートで入学。案の定、そこから苦しみました。親の言うなりで、自分の意思がなかったのです。何のために描くのか。何を伝えたいのか。さっぱり分からなくなり、悩みました。

 大学院に進学してすぐ、親の反対を押し切り、逃げるようにパリへ。アルバイトで自活しながら1年ほど暮らしました。貧乏で、言葉は通じず、孤独でした。でも、その中で、うまく言葉では表現できなかった私のような子どもたちに、「そういうこと言いたかったんだ」と感じてもらえるような子どものリアルが詰まった美しい絵本を作りたいと思うようになったのです。

 帰国後、大学院を中退。イラストや挿絵の仕事をして貪欲(どんよく)に自分の表現を模索しました。結婚、出産を経て、「マキちゃんのえにっき」(現在は新装版を平凡社が発行)でデビューしました。保育園になじめず、不器用だった5歳の私を重ねながら作りました。

 私の創作スタイルは、「テーマありき」ではありません。自分の生活や旅の中で、魅了されたものを、取材で深めながら、モチーフが物語り始めるまで待ちます。

 「ルリユールおじさん」(講談社)もその一冊。パリの製本職人(ルリユール)と女の子の物語です。

 きっかけは2004年秋、旅先…

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