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 東京電力福島第一原発事故のため、福島県飯舘村から、山武市板中新田に黒毛和牛と共に避難している小林将男さん(59)、多美江さん(51)夫妻の牧場を応援しようと10日、東大大学院生らが訪れた。5年間の期限付きで借りていた牧場の移転予定地も同市内に決まった。

 小林さん夫婦は事故後、2011年6月に牛142頭と共に避難してきた。山武市民をはじめ多くの人に支援されて、飯舘牛の血統を守り、現在は約150頭を飼育している。

 この日、牧場を訪れたのは東大大学院農学生命科学研究科の溝口勝教授(55)や大学院1年生の佐藤聡太さん(23)ら約10人。佐藤さんも飯舘村の出身。山武市の紹介で、この春に牧場のことを知った。「飯舘牛の血統を守ってもらっていることがありがたかった」といい、これまでにもたびたび訪れていた。応援策の一つとして、来春の大学祭に牧場の牛肉を販売することを計画、まずは牧場を知ってもらおうと、指導を受けている溝口教授や同級生らを誘った。院生らは牛の飼育の実際について小林さんに質問するとともに、雌牛の妊娠について獣医師について実地に学んだ。

 一方、牧場は5年間の約束で借りているため、小林さんは代わりの牧場となる場所を探していたが、このほど山武市森に予定地が決まった。面積は1万1521平方メートル。17日に、飯舘村役場の担当者らが来て正式に今後が決まる。小林さんは「いずれは飯舘村に戻りたい。それまでは、血統を守るとともに、牛を育てる後継者を育成したい」と話していた。(稲田博一)