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 ノーベル晩餐(ばんさん)会のメインシェフとしてメニューを考案したサヤン・イサクソンさん(41)はストックホルム市内で日本食レストランも営む親日派だ。取材のため、朝日新聞記者が晩餐会に出席したところ、メニューにも、日本食への強い意識が見て取れた。

 まず、ヒラメやホタテの前菜。カルパッチョ風にオイルであえたものだが、魚卵と海草を散らしていて、わさびじょうゆでもいけそうな品だ。

 メインは肉、野菜、ポテトを使った三つの料理の盛り合わせ。野菜は根セロリを使い、日本のラッキョウを思わせる味付けが施されているようだ。一つの皿に、三つがそれぞれ丸くかたどられ、「盛りつけが巻きずしのよう」という声が聞かれた。

 デザートは「桜の花をイメージしたコーヒーとアーモンド風味のデザート」。アイスクリームやムースにチェリー風味のソースをあえ、ガナッシュなどをあしらった。欧風のデザートではあるが、見た目は日本のサクラ。赤い花びらになぞらえたチョコレートがとても可愛らしくみえた。

 イサクソンさんは4年に1回開催される世界料理オリンピックで2002年に優勝し、ストックホルム市内ですし店など3店を経営している。日本ですしを習ったこともある日本びいきだ。晩餐会の前、朝日新聞の取材に対し、「日本食はシンプル。コメでも魚でも、日本人は食材に敬意を払う。今回のメニュー作りでは日本食の哲学を大いに参考にした」と話した。

 一方、給仕の手際も見事だった。メインでは、まず温めたお皿が並べられ、さめないうちに料理が盛りつけられる。こうした作業が1300人の客すべてに対してすみやかに進められていた。(ストックホルム=嘉幡久敬