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 政府は2015年度の補正予算案に、環太平洋経済連携協定(TPP)対策などとして、農地や農道などを整備する公共事業である土地改良事業の予算990億円を盛り込む方針だ。今回の補正予算案に計上されるTPP対策費約3千億円のうち、約3分の1を占めることになる。来年夏の参院選を控え、自民党農林族議員らから増額要求が出ていた。

 土地改良事業は、農地や農道、排水路、農業用ダムなどの整備を指す。TPPによって安い輸入農産物が増えると懸念されており、農林水産省は、農地の大規模化などを進め、生産性や競争力を高める狙いで予算要求した。

 90年代のウルグアイ・ラウンド合意後の対策では、約6兆円の巨額事業費のうち、半分が土地改良などの農業関連の公共事業につぎ込まれた。だが、無駄な農道などが多くつくられ、必ずしも競争力強化に結びつかなかった。今回のTPP対策費が、ウルグアイ・ラウンド対策の「二の舞い」になるおそれもある。

 土地改良予算の充実を求めてきたのは、自民党の二階俊博総務会長がトップを務める全国土地改良事業団体連合会だ。土地改良の予算は、民主党政権で大幅に削減され、自民党は政権交代前の水準に戻すよう要望。二階氏も「自民党に政権が戻ったことがわかる予算を組む」と語っていた。(大畑滋生、奈良部健)